Monday, 28 October 2013

盲ろう者の宇宙:盲ろう児と大人の盲ろう者の実態調査

10月5日は、フォローアップ協力「タシケント市における盲ろう者のコミュニケーション技術支援:盲ろう者についての啓発および通訳介助者養成」プロジェクトの活動の初日でした。その日はタシケント市とタシケント州(オルマルク、クイチルチク、クブライなど)から盲ろう児(11人)とその親族が実態調査に参加しました。

日本からは、全国盲ろう者協会の福田さんと村岡さんが、4人の通訳介助者と1人の身体介助者と一緒に、ウズベキスタンのタシケント市にいらっしゃいました。

福田さんは、全く見えず全く聞こえない方です。石井さんは福田さんの目と耳の代りをします。
コミュニケーション方法は「触手話」です。(Photo by Yasuta Kazuki)

盲ろう者とはどういう人でしょう? 東京全国盲ろう者協会によれば、目の障害に加えて、耳の障害がある人を「盲ろう者」と呼んでいます。その見え方と聞こえ方の程度によって「盲ろう者」は次の4つのタイプに分けられます。

  1. 全盲ろう・・・全く見えなくて、全く聞こえない人
  2. 全盲難聴・・・全く見えなくて、少し聞こえる人
  3. 弱視ろう・・・少し見えて、全く聞こえない人
  4. 弱視難聴・・・少し見えて少し聞こえる人

私は両方目も見えない、耳も聞こえない世界を想像できないです、あなたは?すごく怖いのではないかと思います。

世界的に有名な盲ろう者の人は、ヘレン・ケラーです。日本では、盲ろう者が約2万人がいます。ウズベキスタンの盲ろう者の数は、はっきり分かりません。でも、そいう人がウズベキスタンにもたくさんいると言われています。全国東京盲ろう者協会は日本の盲ろう者のために色んな支援していて、その貴重な経験をウズベキスタンの盲ろう者に伝えるために、タシケントへやってきました。

一週間のプログラムの初日、タシケント州とタシケント市内の盲ろう児とその親が集まりした。左から二番目:ショディヨルくん(8歳);右端:ドロブくん(7歳)。子供たちは、いっぱい遊んで楽しみましたが、とても煩かった。やっぱり障害と全く関係なく子供は子供ですね。

盲ろう児(施設入所児童)のオモンボイくん(6歳)とボランティアのシャフローさん。オモンボイは全盲ろう(目が全く見えない、耳が全く聞こえない)の子供です。午後には彼の体調が悪くなって、お腹が痛くなりました。

翌日10月6日は、大人の盲ろう者が実態調査に参加しました。

弱視ろうの村岡さんが、杖を使っての歩き方をソジダさん(39歳、ろうベースの盲ろう者)に教えています。ソジダさんは今まで杖をあまり使ったことがなく、外を歩くときには、いつも夫に手伝ってもらっていました。

全盲難聴のトゥルグンさん(48歳、左端)が点字の書き方を勉強しています。トゥルグンさんは少し聴力が残っているから、聞こえやすいように集音マイクを使ってコミュニケーションしました。
触手話でコミュニケーション:コーカンド出身のナビジョンさん(49歳、ろうベースの盲ろう者)と福田さんが、ちゃんとコミュニケーションをとっています、日本とウズベキスタンの手話は違いますけど。
福田さんが日本から盲ろう者の方が出来るゲームを持ってきました。

翌日、10月7日、参加者は二つのグループに分かれて、一つのグループは村岡さんと一緒にミラバット・バザールに、他のグループは福田さんと一緒に近くにある「コルジンカ」と言うスーパーに買い物しに行きました。
ウズベキスタンの盲ろう者の方は、外にあまり出かけられないから、すぐに疲れてしまいました。日本では、東京全国盲ろう者協会が盲ろう者の自立と社会参加するための色々な支援をしています。例えば、盲ろう者が自分で買い物をしたい時に、協会は通訳介助者を提供します。

ウズベキスタンの信号は、日本の信号より赤くなるのがとても早いため、障害者の人が安全に渡ることが難しいです。盲ろう者の方が渡るのは、本当に危ないです。

「これから何をしましょうか?ホテルへ帰りますか?もう疲れていますか?」

歩道の方は道がガタガタだから、車いすに乗っている人はいつも車道を行かなければなりません。しかし、車道のほうも車が多いから危ないです。どうしよう?!
(文責:ムラト)
Photographer: Yasuta Kazuki

Monday, 29 July 2013

DETの地平が広がっていきます!

ラマダン(断食月)が始まり、また「亀さんグループ」のスピードが落ちてきました。。。

実に1か月ぶりのDETが、タシケント州オルマルク地区で実施されました。


午前中は、障害当事者対象のDET

今回のコーディネーターを買って出たのは
やっぱりサフィア!

参加者10名中9名が男性!

アクションプランは
「オルマルクのサッカースタジアムをバリアフリーにする!」
ウズベク人はサッカー大好き

午後は、オルマルク地区近郊の地区から来た
障害者協会支部長たちが参加

ナゾカットにとっては、3回目のDET

議論が次第にヒートアップ!

オルマルクTVからインタビューを受ける


今回のDETの最大の成果は
ウズベキスタン障害者協会タシケント州支部の会長が
「オルマルク支部を皮切りに、タシケント州内全18支部でDETを実施する!」
と約束してくれたことです。

これが実現すれば、タシケント州全域に
DETが目指す「障害の社会モデル」の理念と実践を広げることができるとともに
DETトレイナーのスキルアップのチャンスも広がります。
参加者の中から、潜在能力のある当事者リーダーを発掘することもできるかもしれません。
DETトレイナー第2世代が産まれる日も、決して遠くないかも?

DETの夢はどんどん膨らんでいきます!



【おまけ:DET史上最も若い参加者(推定3歳)】
3分後、自ら退場・・・。


Monday, 8 July 2013

希望の車いす、今度はヤンギイォルに!

今回初めて、タシケント州ヤンギイォル地区に、希望の車いすを届けてきました。





今回寄贈を受けた少年は
脊髄性筋委縮症という遺伝性の病気で
兄弟とも車いすを使っています。


お祖母さんと


政府からもらった車いすは2年も経たないうちに壊れてしまいました。

前輪キャスターが弱点


お兄さんは脊柱の側彎が大きいため
車いすにまっすぐ座ることができず
ボロボロのドイツ製の大きな車いすに
横たわるように座っています。


コンピューターの勉強がしたい!


彼の身体に合った車いすがウズベキスタンでも作れる日が
一日も早く来ることをと願ってやみません。



【希望の車いすへの寄贈レポートより】

ジャホンギルくんは、11歳。
脊髄性筋委縮症と診断され
2009年に社会福祉局から初めて車いすをもらいました。

しかし、2年も経たないうちに前輪が壊れてしまい
お祖父さんが応急手当をしましたが
舗装の悪い田舎道では、まともに走行することもできませんでした。

新しい車いすは5年に1度しかもらえないので
困り果てた家族が社会保障局に懇願し
希望の車いすが届けられることになりました。

ジャホンギルくんは、学校へ行くことは困難なため
週2回在宅教育を受けています。
算数が一番好きな科目だそうです。
家にいるときは、テレビでアニメ番組を見るのが好きだといいます。

希望の車いすに座ったジャホンギルくんの表情が
ぱぁっと明るくなりました。
新しい車いすでどこへ行ってみたいか聞いてみたところ
「外へ出て、学校の友達と遊びたい」と瞳を輝かせていました。
年下のいとこが、早速ジャホンギルくんの車いすを押して
家の前の道路へと連れ出していました。

ジャホンギルくんのお兄さんのジャスルさんも
同じ脊髄性筋委縮症を患っていますが
使っている車いすはガタガタになってしまった上
全く身体に合っていません。

一人一人の身体に合った車いすが作れるような
車いす製作技術の向上が望まれます。

Wednesday, 3 July 2013

タシケント市公共交通局の皆さんにDET!

障害当事者自助グループ「イスティクボル」のサフィアが
これまでの「亀さん」ペースを破って、勢いづいてきました。

「毎日バスに乗ってたら
日焼けしちゃった!」
と苦笑い
(Photo by Kazuki)


「ずっとトレーナーをするのが怖くて
 黙って見ているだけだった。
 でも、職場からウォーカーをもらって
 バスに乗ったり、自力で街歩きをするようになって
 色々な人と話しているうちに
 自分の思いを伝えたくなった!」


先日の美大生を対象としたDETに引き続き
今度は自分の職場を巻き込んで
タシケント市公共交通局(バスと路面電車を運行)の職員を対象にDETを実施することに。


でも、「やっぱり自信がないよ~!」ということで
結局ムハバットがメインのファシリテーターを務めました。




今回の参加者は、部長クラスや中堅どころの男性ばかり。
女性で、かつ障害者だと、話も聞いてもらえないのではないかと心配していました。



ところが、DETのスライドには意外とバスの写真が多いんですね。

ノンステップバスとワンステップバスの違いにも敏感に反応

バス運転手や車掌の
障害者への差別的な態度が問題だ!と力説

バス停のアクセシビリティについて、激論!

アクションプランには、きちんと期日も入りました


結果的には、参加者をうまく巻き込むことができたようでした。


アクションプランは
・交通局のビルの入り口の段差を解消する!(15日以内)
・交通局に、障害者を雇用する(1か月以内)
など、部長クラスの参加者の皆さんの権限を持ってすれば
余裕で実施できそうな内容。


次回は交通局に出向いてDETを実施できたら
アクションプランのフォローアップにもなりそうです。


サフィアの次のDETは来週の予定。
地域に住む障害児の家族が対象だそうです。

「次はちゃんと、メインのファシリテーターするから!」

期待してるよ、サフィア!

Wednesday, 26 June 2013

希望のDET!

久しぶりに、タシケントでDETが実施されました。


障害当事者自助グループ「イスティクボル」が拠点を置くマハラで
美大生ボランティアグループ「イスティクロル・ヌルラル」のメンバーが対象です。


外の気温が40度を超える酷暑の週末
8名もの学生が集まってくれました。

(Photo by Kazuki)


主ファシリテーターを初めて務めるサフィア。


緊張して声が震える~! (Photo by Kazuki)


危なっかしいところもあったものの
難しい前半のファシリテーションを務め上げました!


後半のファシリテーターは、大御所ムハバット。


初めて、自分でバザールに行って買ってきた服!
 (Photo by Kazuki)


学生の顔つきがだんだん変わってきました。

(Photo by Kazuki)

(Photo by Kazuki)

(Photo by Kazuki)


そして、今までのDETの中で、一番実現可能性のある「アクションプラン」が完成!

「自分たちの大学にスロープを作る!」

「そのために、大学のマネジメントを対象にDETを行う!」

(Photo by Kazuki)


最後に、グループのリーダーの力強い一言。

「イスティクボルと僕らのグループの目的は同じ。社会をよりインクルーシブにすることだ!」


(Photo by Kazuki)


始めて、次のアクションにつながる何かが見えた、DETでした。


彼らの心に芽生えた情熱は、タシケントの熱気にも負けていません!



Wednesday, 19 June 2013

プスケント地区でまた希望の車いす寄贈!

タシケント州プスケント地区にはこれまで3台希望の車いすを寄贈してきましたが
同地区の労働社会保障局がとても熱心で
さらに追加で2台の要請があり
6月18日に寄贈してきました。


家の庭がブドウ畑!


【希望の車いすへのレポートから】

カリマさんは、8年前にウズベキスタン大統領の娘から寄贈された車いすを大事に使っていました。
しかし、決して舗装状態が良いとはいえない田舎街で
頑丈なアメリカ製の車いすも、とうとう寿命が尽きてしまいました。
労働社会保障省から車いすの供与を受けるには、あと2年間も待たねばなりません。
縫製の仕事をしているカリマさんにとって、車いすは仕事場へ行くために欠かせない足。
そこで、プスケント地区の労働社会保障局を通じて車いすの要請があり、
今回「希望の車いす」を寄贈することになりました。

以前使っていた車いすより座面が少し低いため、
初めは乗り心地に少し違和感を覚えたというカリマさん。
しかし、しばらく乗ってみるうちに、車体が軽く、リムに手が届きやすいため、
左右に曲がったり回転したりしやすくなったと感じました。

カリマさんは、近所にある縫製工房に弟子入りし、今では何でも縫うことができるといいます。
暇な時間にはTVで歌番組を見るのが好きだそうです。
新しい車いすでしてみたいことは、タシケントで大好きな歌手のコンサートに行くこと。
「希望の車いすは、軽くて小さくたためるので、車に載せるのに、とても便利ですね!」
と、大きな瞳を輝かせていました。

【レポートの抜粋終わり】

カリマさんがタシケントに来る機会があったらまた会おうね、と約束しました。
その時には、イスティクボルのメンバーにも会ってもらいたいと思っています。


プスケントはブドウ栽培で有名です。
6~7月にかけて収穫するのが普通ですが、5月末に収穫できる早生のブドウもあるとかで
一般の家でも、庭に必ずブドウが植えられています。

「ブドウが熟した頃にまたおいで!」
プスケント流の別れの挨拶です。


プスケントへの道すがら目にした不思議な光景


馬が食んでいるのは水草なのでしょうか?

Thursday, 6 June 2013

サマルカンドでもDET!

3月、4月と活動休止していたDETフォーラムですが
プロジェクトにお尻を叩かれて(?)
地方のDETが再開しました。

初めてのレギスタン広場!


5月末に実施されたフェルガナのDETに続いて
6月3日に、サマルカンドでDETを実施。

2012年度JICA研修「障害者のメインストリーミング及びエンパワーメント促進」に参加した
ウズベキスタン障害者協会サマルカンド州支部会長の協力で実現したものです。


午前の部は、障害当事者を対象に実施
和やかな雰囲気の中、活発な議論が進みます
パラリンピック・アームレスリング(腕相撲)
金メダリストも参加!
10名の参加者は、全員肢体障害者

午後の部は、サマルカンド州内の障害者協会代表が参加
真剣に議論に参加してくれました


今回のDETは、3名のDETトレイナーが前半・後半で交代しながら行いました。
お互いの弱点をフォローしたり、と
チームプレイがキラリと光る、DETでした。

DETトレイナーは確実にパワーアップしてきています!
今後のDETも楽しみです☆


【おまけ:サマルカンドのスティーヴィーワンダー】

すごい声量!