Wednesday 25 July 2012

「希望の車いす」第2号!

5月の第1号に引き続き、NPO「希望の車いす」車いす第2号が
運搬ボランティアの方の手によって、7月中旬にタシケントに到着しました。
そして本日7月25日、タシケント市の中心部にあるヤッカサライ地区の就労支援センターの紹介で
28歳の青年に、この車いすを寄贈することができました。

就労支援センターの職員とともに

彼は以前ロシア製の古い手こぎ式車いすを持っていましたが
アパートの入り口に停めておいたところ、心無い人に持ち去られてしまい
それからは外に出ることもままならなくなってしまったそうです。
車いすがあった頃は、タシケント市内のボブール公園で花を売って
おばあさんと二人だけの暮らしを支えていましたが
車いすがなくなり、それもできなくなってしまった、と言います。

新しい車いすで、また公園に花を売りに行きたい!と目を輝かせる彼。
前の車いすで、タシケントから100km以上も離れた山岳地ベルデルサイに
16時間も掛けて行ったこともある、というスポーツマンな彼ですので
そのアクティブさで、これからもどんどん新しいことにチャレンジしていって欲しいと思います。

★日本からウズベキスタンに来られる方で、
 運搬ボランティアをしてくださる方がいらっしゃいましたら、
 どうぞご連絡ください!

Sunday 15 July 2012

アンプティサッカーチームの練習を見てきました!

アンプティサッカーをご存じですか?
アンプティサッカーでは
下肢切断者は、義足を付けずクラッチ(松葉杖)を使ってフィールドプレーヤーになり
上肢切断者は、義肢を付けずゴールキーパーになります。

フィールドやゴールが、二本足でするサッカーより一回り小さい(フットサルと同じ位のようです)
フィールドプレーヤーは6人
オフサイド・ルールはなし
選手交代は何回でもできる
試合時間は前半後半25分ずつ
切断下肢やクラッチで故意にボールに触れるのは「ハンド」扱い
など、独特のルールがあります。
(アンプティサッカーの詳しいルールについては
 日本アンプティサッカー協会のページをご覧ください。)

ウズベキスタンは、アンプティサッカーのワールドチャンピオン(しかも連続2冠)を達成しており
ナショナルチームは大統領からも表彰を受けるなど
アンプティサッカーの知名度は思いのほか高いです。
プロジェクトを開始してから幾度となくアンプティサッカーチームの活躍ぶりを耳にしてきたので
一度はプレーを見てみたいと思っていたのですが
先週ようやく、練習を見学させていただくことができました。


ナショナルチームのベストメンバーによるパス回し

クラッチを使った素早い身のこなしにご注目ください!
ボールへのインパクトの瞬間には
クラッチだけで体を支えることになるのですが
トスやトラップの際、体が横になるような状態になっていることもあり
その素晴らしいバランス感覚に感嘆。
(器械体操しながらボールも蹴っているようなイメージ?)
1回見ただけで、すっかりファンになってしまいました☆

ボールを蹴ったすぐ後、体は宙に浮いている
激しい当たり


7月16日からは、ウズベキスタン国内トーナメントが始まります。
応援に行かなくては☆

Monday 9 July 2012

「障害の社会モデル」についてのセッションを実施しました

先日のブログに書いた「障害の社会モデル」についての理解を普及するため
JICAウズベキスタン事務所で
障害平等研修(DET)の導入部分にあたる「障害とは」のセッションを実施しました。
発表者は、昨年ウズベキスタンでDET導入研修を受けた障害当事者の一人です。

左から2人目が発表者のミャッサールさん

JICA事務所のスタッフは、普段からとても忙しいので
何人参加してもらえるのか不安でしたが
蓋を開けてみたら、日本人スタッフ5人、ウズベク人スタッフ3名、
合計8名もの方が参加してくれました!

参加してくれたJICA事務所の皆さん

30分間という短い間でしたが
「障害とは何か?」
「障害はどこにあるのか?」
「どうやって問題を解決するか?」
といった、DETで用いられる、参加者の気付きを促す質問と図表を用いて
セッションが実施されました。

終了後、参加者の方々からは
「図表があったのでメッセージが伝わりやすかった」
「事例を用いた説明がわかりやすかった」
等、ポジティブなコメントをいただきました!

発表者自身は自分の発表に100%は満足していなかったようですが
場数を踏むことも重要ですので
今後も色々な機会を設け、どんどん経験を積んでいってもらいたいです



Wednesday 4 July 2012

障害平等研修(DET)フォーラム・ウズベキスタンのページがアップされました!


障害平等研修(Disability Equality Training:DET)は
1980年代にイギリスを中心に開発されてきた手法で
障害当事者がDETの講師であることが大きな特徴です。
障害とは個人の身体的機能・能力の限界ではなく
個人が有する差異を理由にした差別・機会の不平等であるとする
「障害の社会モデル」の考え方に基づいて
社会に存在する様々なバリア(物理的・態度・制度的)を取り除いていくための行動を支援する参加型手法を用います。
(詳しくは、DETフォーラム・ジャパンの解説ページをご参照ください)


DETフォーラムは、DETの指導者養成研修が実施された国々のネットワークで
アジアを中心に、中米コスタリカも名を連ねています。
ウズベキスタンも、その仲間入りをすべく準備を進めてきていますが
このたび、DETフォーラム・ウズベキスタンのページがアップされました!

とはいえ、まだ指導者養成研修自体が実施されていないので、中身はまだほとんどありません。。。
今後、ウズベキスタンの障害当事者によりDETが本格的に実施されるにつれ
内容もどんどん濃くなっていくことと思います。
乞うご期待!

障害当事者グループを対象に実施された、ミニDET
中学生を対象とした、ミニDET

地域に住む障害児の保護者を対象とした、ミニDET

Tuesday 3 July 2012

ウズベキスタン障害者専門学校へ行ってきました

先日プロジェクト事務所に突然電話が入り
是非一度見に来てほしいと言うので、行ってきました
ウズベキスタン共和国立障害者専門学校。
(同様の国立専門学校はフェルガナにもあるそうです。)
障害者を対象とした、職業訓練・教育のための専門学校です。

タシケント中心部から車で20分、TTZというエリアにあります。
元々はタシケント市内のチロンゾール地区にある
労働社会保障省法科専門学校の敷地内に併設されていましたが
手狭になったこと、また校舎の物理的アクセスの改善のため
2年前に、現在地に新校舎を設立。
現校舎は、エレベーター、スロープ、車いすで利用できるトイレ、廊下の手すりなど
一定の物理的アクセスが備わっています。

学期中は食堂で三食支給
ブラインドサッカーもできる体育館

専門学校では、現在以下の7コースを教えています。
1)裁縫
2)電子・ラジオ機器修理
3)電化製品修理
4)ICT:視覚障害者が中心
5)会計・経理
6)織物:視覚障害者が中心
7)靴製作

中でも裁縫と靴製作のコースが人気があり、
生徒の作品はそのまま販売できるくらいクオリティーが高かったです。


生徒は、肢体障害、視覚障害、聴覚障害のある方が中心。
手話通訳も常時配置されているようで
訪問時に卒業試験が実施されていたのですが
聴覚障害のある生徒が、卒業製作の作品について
手話通訳を通じて試験官にプレゼンテーションを実施していました。

裁縫コースの生徒さんたち
コンピューターには画面読み上げソフトJAWSを完備

男女別棟になっている宿舎は、それぞれ200人、合計400人分のキャパシティーがありますが
実際には300人弱しか生徒が入っておらず
現在も9月から始まる新学期へ向けて生徒を大募集中とのこと。

宿舎は3人または4人の相部屋
車いす用シャワールーム(手すりは外柵を活用)

応募のための必要書類(ウズベク語) ※宣伝のお手伝いです(笑)

知的障害のある生徒の受入はまだ経験がないようですが
今後コースや教授内容の充実を図っていく中で
知的障害や精神障害のある生徒も受け入れできるようになっていただければ良いなと思います。