Wednesday 17 October 2012

本人活動の第一歩

日本から、知的障害のある方の「本人活動」の第一人者
奈良崎真弓さんがウズベキスタンへやってきました!!
奈良崎さんは、生まれ育った横浜市内で「本人会 サンフラワー」を主宰している他
JICAの短期専門家や短期派遣の青年海外協力隊として
海外の「本人」のエンパワメントのための活動も実施した経験もあります。

今回は、全くの個人的な観光目的で来てくださったのですが
「せっかくウズベキスタンへ行くから、ウズベキスタンの本人に会いたい!」との希望があり
ウズベキスタンのスペシャルオリンピックス(SO)と協働で
奈良崎さんと、ウズベキスタンの「本人」と、その親とで交流する活動を計画しました。
会場は、タシケント市チロンゾール地区にある66番特別支援学校です。

プログラムは奈良崎さん自身が考えたものを中心に組み立てました。
まずは、SOのアスリートの皆さんの練習風景の見学。
その後、奈良崎さんの指導により、体操を行いました。

軽いウォームアップの後、ボール回しなどの競争

体育館から会議室に場所を変えて、本人との交流会です。
奈良崎さんからの5つの質問に、本人が通訳を介して答えていきます。

「今後やってみたいことはありますか?」
「毎日、どんな生活をしていますか?」

本人が答えられないと、ついつい親が後ろからしゃしゃり出て代りに答えてしまったり
ロシア語、ウズベク語、日本語が飛び交ってちょっと混乱する場面もありましたが
無事5つの質問を全員に答えてもらうことができました。

表側にはロシア語とウズベク語、裏側には日本語で質問を書いたカードを用意

次に、折り紙に挑戦!
はじめは簡単にできる「かぶと」を折り
次に、折り紙に自分の夢を書いて、「ひこうき」の形に折って飛ばしました。

「ひこうき」が自分たちの夢を運んでくれますように・・・

次に、SOのアスリートの親との交流会を行いました。
奈良崎さんからの質問に、「○×カード」で答えてもらいます。

お母さんがほとんどで、お父さんは一人だけでした

「学校で差別を受けたことがありますか」
「住んでいる街で手を貸してくれる人がいますか」
といった質問に対し、様々な回答が出ましたが
実際には、ほとんどの親が同じような悩みや問題を抱えていることが
次第に明らかになりました。

「悩みや問題を、皆で集まって一緒に話し合って、解決して行って欲しい」
という奈良崎さんの提案に、大きくうなずく親たち。
最後は「エイエイオー!」の掛け声で交流会を締めくくりました。

ウズベキスタンでは、知的障害を持つ人たちの親の会や本人活動は
まだまだ活発ではありませんが
今回の奈良崎さんとの出会いがきっかけとなり
少しずつでも、知的本人による活動が進められていくことが期待されます。
今回の活動が、その初めの一歩になったのではないでしょうか。

希望の車いす第4弾!

9月末に運搬ボランティアの方が日本からウズベキスタンへ運んでくださった「希望の車いす」を
タシケント市ヤッカサライ地区に住む50歳の男性に寄贈することができました。

奥さんとともに

長年患っている糖尿病が原因で、足指を2本切断したばかりでなく
心臓病も患い、これまで何度も重篤状態に陥りました。
つい先日もタシケントの救急救命病院に緊急入院し、退院したばかりのところでした。

「日本の車いすは軽くて動きやすい!」と大変喜んでいただきました。
奥さんも「これで病院への通院の介助が楽になります」と目に涙を浮かべていました。

この車いすに関わってくださった希望の車いすの皆さんやボランティアの方々に
心から感謝申し上げたいと思います。

Wednesday 10 October 2012

今度は自分たちで!

障害当事者自助グループ「イスティクボル」が
初めて「障害平等研修(DET)」の1日コースを実施しました。

これまでは最短15分、最長2時間くらいの「ミニセッション」ばかりでしたが
今回は6時間をも費やしての本格DET!
どこまで「障害の社会モデル」を伝えられるのか
これまでの研修の成果の見せ所です。

DETを受けたことのない「イスティクボル」のメンバーも含め13名が参加
研修は、グループワーク、ロールプレイ、ビデオ分析などの手法を取り入れ
参加者が自ら答えを導けるよう、ファシリテーションしながら進められました。

グループワークで「差別的な表現」について議論
「態度のバリア」に関するロールプレイ
グループで話し合った内容を発表

いつもは「お客様」として研修に参加しているメンバーですが
いざ研修をする側になってみると
  必要な用具を過不足なく揃えること 
  時間配分や研修の組み立て
  パソコンやプロジェクター、スピーカーなど機器のセッティング
  参加者に時間やルールを守らせることの難しさや
  DETのツールの効果的な使い方
  お茶や昼ごはんなどの用意
  視覚障害のある参加者への配慮
など、事前に考えて準備しなければならないことが山のようにあることを実感したようです。
また、自分ではわかっていたつもりでも
いざ人にわかるように伝えようとすると簡単にはいかないことも
身を持って体験しました。

参加者は満足して帰って行きましたが
「イスティクボル」のメンバー間で行われた反省会では、様々な改善点が挙げられました。
次回はもっと上手くできるようになりたい!という向上心も芽生え
来月行われる予定の「障害平等研修・指導者養成研修(DET-ToT)」への期待がますます高まりました。

希望の車いす第3弾!


9月はウズベキスタン観光のベストシーズン。
在留邦人の家族や知人友人が最も多くウズベキスタンを訪れる時期でもあります。
自分の荷物を減らしてでも、車いす運搬ボランティアを引き受けてくださる方も多く
この9月だけで4台もの車いすが日本からウズベキスタンへと運搬されました。
ボランティアの皆さん、本当にありがとうございます!

大人用の1台は、タシケント市セルゲリ地区に住む、52歳の女性に寄贈されました。
2年前に脊柱ヘルニアを患って以降歩けなくなり
夫が家に居ないときは、軒先に出されたベッドで1日中寝たきりの生活を強いられていたそうです。
「車いすがあれば、近所を散歩することもできます」と
目を潤ませながら話してくれました。



また、子ども用の2台は、タシケント州ザンギアタ地区の9歳と7歳の姉と弟に届けられました。
車いすがないため、自宅で訪問教育を受けていた姉は
「これからは車いすで学校に行って、みんなと一緒に勉強したい」との希望を語ってくれました。



訪問教育ながらも優秀な成績を収めて表彰されたこともある彼女。
ロシア語が一番好きな科目だそうです。
1日も早く学校へ行って
たくさん新しい友達を作って、たくさん色々なことを経験して欲しいと思います。




女性障害者による女性障害者のための研修


9月20日、21日の2日間に渡り
カザフスタンの障害当事者団体「Shrakシュラック」が
ウズベキスタンの障害当事者団体「Millenniumミレニアム」と共催で
「女性障害者のリプロダクティブヘルス研修」を実施。
15名の女性障害者が参加しました。

ウズベキスタンに限ったことではありませんが
差別的な障害者観、伝統的なジェンダー観、イスラム文化の影響もあり
女性障害者が自らの性についてオープン語る機会はほとんどありません。

今回の研修では、ファシリテーターも女性障害者、参加者も99%が女性障害者で構成され
リプロダクティブヘルスに留まらず
女性障害者が経験する特有の差別や
それに対抗するための自助グループ作りなどのテーマも取り扱われました。
性を語ることにとまどいながらも、活発に議論している参加者らの様子が印象的でした。



絵本で障害児に笑顔を


名古屋を拠点に
ラオスの子どもに絵本を届ける活動を15年近く続けているグループのメンバー10名が
この9月ウズベキスタンを訪問。
RCSACという障害児リハビリテーション施設で
障害をもつ子どもとの交流活動を実施しました。

同グループの出し物の十八番は
「おおきなかぶ」という絵本の読み聞かせパフォーマンス。
この「おおきなかぶ」、実はロシア民話が基になっていて
ウズベキスタンでも「レプカ(ロシア語でかぶの意)」という名で広く親しまれています。

かぶを引っ張るおじいさんとおばあさんを後ろから助ける犬や猫やネズミの役は
参加した子どもにお願いして
ロシア語では「イーラス!イーラス!」
ウズベク語では「ブル・イッキ!ブル・イッキ!」
みんなで揃って掛け声をかけたら
最後にはおおきなかぶを引っこ抜くことができました。

みんなでおおきなかぶをひっぱれー!

グループとしては、障害児との活動は今回が初めてだったそうですが
「おおきく、おおきく、おおきくなぁれ」という、わかりやすい紙芝居や
「ことんこん」という、動きを見ても聞いても楽しい折り紙
手品や手遊びなど
言葉がなくても伝えられる活動を選んでくださったおかげで
子どもたちもその保護者の方も、とても喜んでいる様子でした。

「ことんこん」は作るのも簡単

中でも一番好評だったのは、子ども用ゆかたの着付け体験。
ポラロイドカメラで撮影した写真を
参加者は皆大切そうに持ち帰って行きました。

ピンクの振袖がお気に入り

通訳ボランティアとして参加してくれた皆さんにも、この場を借りて感謝したいと思います。
いつもいつも、本当にありがとうございます!!


自立生活体験合宿!


4月に日本の障害当事者講師から「自立生活」と「ピアカウンセリング」の研修を受けた
ウズベキスタンの障害当事者と一緒に
自立生活を実践してみるための合宿を企画しました。
日本からは、沖縄自立生活センター・イルカの3名が合流。
貴重な夏休みを費やし
渡航費用はイルカの職員や他団体から寄付を集めて工面してくださっての参加です。

イルカの皆さん、本当にありがとうございました!(Photo by Kazuki)

ウズベキスタンでは、障害当事者に限らず、大家族で暮らすことが多いため
障害当事者は特に、知らず知らずのうちに家族の誰かに面倒をみてもらいながら暮らしています。
もちろん、家の造りがバリアフリーでないため
車いすやウォーカーなどで自由に動き回れないことも原因の一つですが
  料理をしたことがない
  自分の服を洗濯をしたことがない
  市場で買い物をしたことがない
  自分の服を自分で選んで買ったことがない
といったことが日常的なのです。

何も言わなくても手助けしてくれる家族から離れて
赤の他人である介助者ボランティアの助けを借りながら
  自分で選んで
  自分で決めて
  結果には自分が責任を取る
という自立生活の概念を実践してみること。
これを合宿の目的にしました。

合宿中は3食自炊。
準備は、3泊4日分のメニュー決めから始まりました。
食材は、担当者が事前に買い出しに行き
食費も全額、自己負担です。

合宿中の研修プログラムも全て自分たちで考えました。

料理にチャレンジ!(Photo by Kazuki)

ところが、実際に始めてみると、本当に難しい!
料理担当の障害当事者は
「あれ取ってきて」「これやっといて」と、介助者をあごでこき使ってしまいます。
介助者も、「これは障害者にはできないから」と勝手に判断して、自ら動いてしまいます。
始めは「人の役に立てることが嬉しい」という善意で動いていた介助者ボランティアも
「どうして、やればできることさえやらないの?」という気持ちがどんどん膨らみ
2日目には堪忍袋の緒が切れて、料理介助をボイコット!!
すると、今度は障害当事者が「私たちだって精一杯頑張っているのに!」と
介助者ボランティアを非難しはじめ
一触即発の状態に・・・。

頑張るボランティア (Photo by Kazuki)

結局、見るに見かねた日本の障害当事者の方が
「介助者は障害者の奴隷じゃない!」と一喝。

翌日には全員参加のワークショップを開いて
お互いが感じたことを素直に話し合う場を設けました。
それがきっかけとなって、他人であるお互いを思いやる気持ちが芽生え
少しずつ軋んだ関係が和んで
お互い気持ちよく介助の依頼と提供ができるようになってきました。

思いのたけを語るボランティア (Photo by Kazuki)

そこでタイムアップ!
あっという間の4日間が終わりました。

(Photo by Kazuki)

ウズベキスタンの「のんびり」ペースが抜けきらず
遥々日本から来てくださったイルカの方々を
リソースとして活かしきれなかったという課題もありました。
(詳しくは介助者ボランティアとして参加したJOCVがブログに書いてくれています。)
それも含めて、全て彼らの選択・決定の結果としての「責任」なのです。

それぞれの家に戻って行った参加者達は
家族とこれまでとは少し違った関わり方ができるようになっていくのでしょうか。。。
これからも、傍で見守っていきたいと思っています。

編み物先生

ずいぶん前から聞いてはいたのですが
障害当事者自助グループ「イスティクボル」のメンバーに
編み物がとても上手な人がいて
近所の人たちにも編み物を教えているというので
最高気温40度超えの猛暑が一気に和らいだ9月初旬の日曜日
「メフモン(お呼ばれしたお客様)」としてタシケント郊外にある彼女の家を訪問しました。

もともと障害当事者団体の主催する教室で編み物を習ったのがきっかけだったようですが
手先の器用な彼女はあっという間に技術を習得。
近所の中学生が評判を聞きつけて
教えてもらうため彼女の家へ通ってくるようになり
その後、中学校でも編み物教室を開くなど
「編み物先生」として地元ですっかり有名になりました。
今も近所の中高生が入れ代わり立ち代わり彼女の家を訪れ
新しいデザインの作品に取り組んでいます。

この日も遊びに来ていた生徒たちが代わる代わる力作を見せてくれました。

作品を着たモデルの女の子
「最近作ったの!」と誇らしげな生徒




















最近少し体調がすぐれず
「イスティクボル」の集まりにも顔を見せに来ることがなかった彼女ですが
仲間の顔を見て、いくらか元気を取り戻した様子でした。

「イスティクボル」のメンバーは
彼女が参加できなかった「自立生活」や「ピアカウンセリング」の研修について紹介するなど
また彼女がグループに戻って来られるように促していました。

少しだけピアカウンセリングも実施

体調管理も含めて、母親が朝から晩まで彼女の面倒を見ているのが現状ですが
彼女のような重度の障害当事者が
介助者を使って自分のしたいことが自由にできる生活が送れるよう
プロジェクトは今後も当事者のエンパワメントと制度の基盤作りを支援していきます。

編み物先生と生徒たち

Friday 31 August 2012

祝☆UJC日本語初級コースに全盲の視覚障害者が合格!

ウズベキスタン視覚障害者協会の会員で
プロジェクトも応援していた全盲の視覚障害者の方が
ウズベキスタン日本人材開発センター(通称UJC)の日本語初級コースに応募し
見事選抜試験を突破しました!

UJCの日本語コースは、ウズベキスタンの日本語学習者の登竜門とも言えるもので
大変人気が高く、初級コースへの応募倍率はいつも2倍から3倍という狭き門となっています。

この選抜試験に向けて、プロジェクトでは6月から応援を開始しました。
いつもプロジェクトの活動を手伝ってくれているウズベク人学生ボランティアの中から
試験対策のための日本語入門講座のボランティア講師を募集。
週1回、全盲の方とアシスタントの方に
ひらがな、カタカナ、日本語の簡単なあいさつや単語を指導してもらいました。
並行して、全盲の方は日本語点字を独習して、すぐさま身につけ
ボランティア講師も、日本語点字の早見表を見ながら間違いを添削するなど
二人三脚で準備が進められました。

今回の選抜試験では
全盲の視覚障害者ということで、UJCと交渉した結果
・アシスタントの同行(墨字の試験用紙の読み上げと回答の書き込みを行う)
・受験時間の延長(アシスタントとのやりとりに時間を要するため)
という合理的配慮を受けることができました。
平等なチャンスを得て、実力を十分に発揮することができたと言えます。

この方は
1年間のコースを経て、日本語の基礎を身につけた暁には
日本のNPOの奨学金に応募し
日本で鍼灸マッサージを習得したいと希望しています。
視覚障害者、特に全盲の方の就労機会が非常に限定されている中
鍼灸マッサージが職域の一分野となっていくことを期待しています。

Monday 13 August 2012

「カモロット」で「障害の社会モデル」のセッションを実施しました

ウズベキスタンには、若者による社会活動を推進する「カモロット」という組織があり
若者による社会奉仕活動の推進や、社会啓発キャンペーン等を実施しています。

カモロットが実施した未成年へのアルコール販売を抑制するための啓発キャンペーン
「販売者は注意せよ!」では
明らかに未成年である若者らにお金を持たせ
大小様々な小売店でアルコールを購入させました。
法律に反して、未成年にアルコールを販売してしまったお店は
リストアップしてメディアに発表。
一大センセーションとなりました。
それ以降、アルコールを買いに来る未成年が
カモロットの使いか、それともただの若者なのかが識別できないため
汚名を着せられたくない小売店は、若者へのアルコール販売を自制するようになり
未成年へのアルコール販売が劇的に減ったそうです。

一方、カモロットはこれまで障害分野への取り組みはしてこなかったため
ひょんなことから、当プロジェクトに相談がもちかけられました。
そこで、カモロットの代表をはじめとする執行部の方を対象に
「障害の社会モデル」についてのセッションを実施することにしました。

カモロットの大会議室でセッションを実施

参加してくれたカモロット執行部の皆さん


障害平等研修(DET)の導入研修を受講した障害当事者により
30分間のミニセッションが行われました。
「障害とは何か?」
「障害はどこにあるのか?」
「どうやって問題を解決するか?」
といった質問と図表を用い
今回は参加者にも意見を言ってもらいながら
セッションを進めていきました。

セッション後、参加者からは
「これまで自分が持っていた「障害」に対する考え方が180度変わった」
という、大変励みになる感想をいただきました。
セッションは成功です!

今後カモロットとも協働して、ウズベキスタンの障害問題に取り組んでいければと思っています。

Wednesday 25 July 2012

「希望の車いす」第2号!

5月の第1号に引き続き、NPO「希望の車いす」車いす第2号が
運搬ボランティアの方の手によって、7月中旬にタシケントに到着しました。
そして本日7月25日、タシケント市の中心部にあるヤッカサライ地区の就労支援センターの紹介で
28歳の青年に、この車いすを寄贈することができました。

就労支援センターの職員とともに

彼は以前ロシア製の古い手こぎ式車いすを持っていましたが
アパートの入り口に停めておいたところ、心無い人に持ち去られてしまい
それからは外に出ることもままならなくなってしまったそうです。
車いすがあった頃は、タシケント市内のボブール公園で花を売って
おばあさんと二人だけの暮らしを支えていましたが
車いすがなくなり、それもできなくなってしまった、と言います。

新しい車いすで、また公園に花を売りに行きたい!と目を輝かせる彼。
前の車いすで、タシケントから100km以上も離れた山岳地ベルデルサイに
16時間も掛けて行ったこともある、というスポーツマンな彼ですので
そのアクティブさで、これからもどんどん新しいことにチャレンジしていって欲しいと思います。

★日本からウズベキスタンに来られる方で、
 運搬ボランティアをしてくださる方がいらっしゃいましたら、
 どうぞご連絡ください!

Sunday 15 July 2012

アンプティサッカーチームの練習を見てきました!

アンプティサッカーをご存じですか?
アンプティサッカーでは
下肢切断者は、義足を付けずクラッチ(松葉杖)を使ってフィールドプレーヤーになり
上肢切断者は、義肢を付けずゴールキーパーになります。

フィールドやゴールが、二本足でするサッカーより一回り小さい(フットサルと同じ位のようです)
フィールドプレーヤーは6人
オフサイド・ルールはなし
選手交代は何回でもできる
試合時間は前半後半25分ずつ
切断下肢やクラッチで故意にボールに触れるのは「ハンド」扱い
など、独特のルールがあります。
(アンプティサッカーの詳しいルールについては
 日本アンプティサッカー協会のページをご覧ください。)

ウズベキスタンは、アンプティサッカーのワールドチャンピオン(しかも連続2冠)を達成しており
ナショナルチームは大統領からも表彰を受けるなど
アンプティサッカーの知名度は思いのほか高いです。
プロジェクトを開始してから幾度となくアンプティサッカーチームの活躍ぶりを耳にしてきたので
一度はプレーを見てみたいと思っていたのですが
先週ようやく、練習を見学させていただくことができました。


ナショナルチームのベストメンバーによるパス回し

クラッチを使った素早い身のこなしにご注目ください!
ボールへのインパクトの瞬間には
クラッチだけで体を支えることになるのですが
トスやトラップの際、体が横になるような状態になっていることもあり
その素晴らしいバランス感覚に感嘆。
(器械体操しながらボールも蹴っているようなイメージ?)
1回見ただけで、すっかりファンになってしまいました☆

ボールを蹴ったすぐ後、体は宙に浮いている
激しい当たり


7月16日からは、ウズベキスタン国内トーナメントが始まります。
応援に行かなくては☆

Monday 9 July 2012

「障害の社会モデル」についてのセッションを実施しました

先日のブログに書いた「障害の社会モデル」についての理解を普及するため
JICAウズベキスタン事務所で
障害平等研修(DET)の導入部分にあたる「障害とは」のセッションを実施しました。
発表者は、昨年ウズベキスタンでDET導入研修を受けた障害当事者の一人です。

左から2人目が発表者のミャッサールさん

JICA事務所のスタッフは、普段からとても忙しいので
何人参加してもらえるのか不安でしたが
蓋を開けてみたら、日本人スタッフ5人、ウズベク人スタッフ3名、
合計8名もの方が参加してくれました!

参加してくれたJICA事務所の皆さん

30分間という短い間でしたが
「障害とは何か?」
「障害はどこにあるのか?」
「どうやって問題を解決するか?」
といった、DETで用いられる、参加者の気付きを促す質問と図表を用いて
セッションが実施されました。

終了後、参加者の方々からは
「図表があったのでメッセージが伝わりやすかった」
「事例を用いた説明がわかりやすかった」
等、ポジティブなコメントをいただきました!

発表者自身は自分の発表に100%は満足していなかったようですが
場数を踏むことも重要ですので
今後も色々な機会を設け、どんどん経験を積んでいってもらいたいです



Wednesday 4 July 2012

障害平等研修(DET)フォーラム・ウズベキスタンのページがアップされました!


障害平等研修(Disability Equality Training:DET)は
1980年代にイギリスを中心に開発されてきた手法で
障害当事者がDETの講師であることが大きな特徴です。
障害とは個人の身体的機能・能力の限界ではなく
個人が有する差異を理由にした差別・機会の不平等であるとする
「障害の社会モデル」の考え方に基づいて
社会に存在する様々なバリア(物理的・態度・制度的)を取り除いていくための行動を支援する参加型手法を用います。
(詳しくは、DETフォーラム・ジャパンの解説ページをご参照ください)


DETフォーラムは、DETの指導者養成研修が実施された国々のネットワークで
アジアを中心に、中米コスタリカも名を連ねています。
ウズベキスタンも、その仲間入りをすべく準備を進めてきていますが
このたび、DETフォーラム・ウズベキスタンのページがアップされました!

とはいえ、まだ指導者養成研修自体が実施されていないので、中身はまだほとんどありません。。。
今後、ウズベキスタンの障害当事者によりDETが本格的に実施されるにつれ
内容もどんどん濃くなっていくことと思います。
乞うご期待!

障害当事者グループを対象に実施された、ミニDET
中学生を対象とした、ミニDET

地域に住む障害児の保護者を対象とした、ミニDET

Tuesday 3 July 2012

ウズベキスタン障害者専門学校へ行ってきました

先日プロジェクト事務所に突然電話が入り
是非一度見に来てほしいと言うので、行ってきました
ウズベキスタン共和国立障害者専門学校。
(同様の国立専門学校はフェルガナにもあるそうです。)
障害者を対象とした、職業訓練・教育のための専門学校です。

タシケント中心部から車で20分、TTZというエリアにあります。
元々はタシケント市内のチロンゾール地区にある
労働社会保障省法科専門学校の敷地内に併設されていましたが
手狭になったこと、また校舎の物理的アクセスの改善のため
2年前に、現在地に新校舎を設立。
現校舎は、エレベーター、スロープ、車いすで利用できるトイレ、廊下の手すりなど
一定の物理的アクセスが備わっています。

学期中は食堂で三食支給
ブラインドサッカーもできる体育館

専門学校では、現在以下の7コースを教えています。
1)裁縫
2)電子・ラジオ機器修理
3)電化製品修理
4)ICT:視覚障害者が中心
5)会計・経理
6)織物:視覚障害者が中心
7)靴製作

中でも裁縫と靴製作のコースが人気があり、
生徒の作品はそのまま販売できるくらいクオリティーが高かったです。


生徒は、肢体障害、視覚障害、聴覚障害のある方が中心。
手話通訳も常時配置されているようで
訪問時に卒業試験が実施されていたのですが
聴覚障害のある生徒が、卒業製作の作品について
手話通訳を通じて試験官にプレゼンテーションを実施していました。

裁縫コースの生徒さんたち
コンピューターには画面読み上げソフトJAWSを完備

男女別棟になっている宿舎は、それぞれ200人、合計400人分のキャパシティーがありますが
実際には300人弱しか生徒が入っておらず
現在も9月から始まる新学期へ向けて生徒を大募集中とのこと。

宿舎は3人または4人の相部屋
車いす用シャワールーム(手すりは外柵を活用)

応募のための必要書類(ウズベク語) ※宣伝のお手伝いです(笑)

知的障害のある生徒の受入はまだ経験がないようですが
今後コースや教授内容の充実を図っていく中で
知的障害や精神障害のある生徒も受け入れできるようになっていただければ良いなと思います。


Tuesday 5 June 2012

いとも簡単にスロープができました!

プロジェクトのオフィスのあるウズベキスタン共和国障害者リハビリセンター(第二)の
すぐそばにある建物で、先月から何やら工事が始まりました。
以前は家具の展示場?のようなものがあったのですが
誰も入っていないなー、と思ったら案の定クローズ!
次は何ができるかな、と観察していたところ、
Makroというスーパーのチェーンができることが判明。

しかし、建物の1階フロアは路面から1.5mほど上にあり
入り口には階段しかありません。
毎日観察していたところ、いよいよ舗装を直し始めました。

Efendiの件で味をしめているので、
また今回も、アクセス改善にチャレンジ!

工事の現場責任者を呼び出し、
・現場のすぐそばにリハセンターがあり、車いすや松葉杖の人が沢山長期滞在していること
・スロープを作れば、この客層がスーパーを利用しやすくなり、スーパーのメリットになること
・アクセスの整備は、法律上でも規定されていること
などを伝えたところ・・・

次の週には、スロープができました。
1か所目
2か所目
ん?でもちょっと斜面がキツイですよね。。。

再度工事現場監督を呼び出し、
スロープの角度や手すりの高さの規定について説明したところ、
またこれもあっさり直してくれました。
(それでもまだ斜面がキツイですが)

昨日堂々オープンしたMakroスーパーです。
ソフトオープン?まだ手すりをつけてるところです。

内側の低い高さにも手すりがあるので、
車いすの方も使いやすいようになってます。
あとは、車いすの方が実際に使ってみて、
また色々とコメントやフィードバックをしていただけると良いかなと思います。

それにしても、こうしていとも簡単にスロープが付くのには驚きです。
タシケント在住の皆さん、街中で建物の入り口部分の舗装工事をしているところを見たら
「スロープつけないの?!」と一言、聞いてみてください。
いざ、1人1スロープ大作戦☆

Friday 1 June 2012

車いす、使ってます!

4月にはるばる沖縄から運んでいただいた車いすを
前にこのブログでも紹介した男の子にしばらく使ってもらうことにしました。
自分で自由に動き回ることができるので、本人も大喜び。

満面の笑み!


家族との関係など、これから乗り越えて行かなければならない壁は色々ありますが
ピアカウンセリング等を通じて、障害当事者の同志から勇気づけられていくことと思います。
(昨日第2回目のピアカウンセリングを実施したとのことです!)

Wednesday 30 May 2012

「希望の車いす」を届けました

アジア各地に車いすを届けているNPO「希望の車いす」が、
今年から、ウズベキスタンへも車いす支援をしてくださることになりました。

第1号となる車いすは、クリーニング・ボランティアの方々の手できれいに磨き上げられ調整され、
旅行でウズベキスタンに訪問した運搬ボランティアによって、
5月初旬に中部空港を経てタシケント空港に到着。
政府関係者の尽力で受取り手が選定され、
夏の始まりの5月29日、無事車いすが寄贈されました。


車いすをもらったのは、タシケントの旧市街に住む64歳の女性。
ヘルニアで歩けなくなって1年が過ぎ、毎日部屋で寝ているだけの生活だったそうです。

「これからは、車いすで毎日外に散歩に行きたいわ!」と上気した笑顔で語る彼女。
この車いすが彼女の生活の中での喜びの支えとなることを願ってやみません。

★日本からウズベキスタンに来られる方で、
 運搬ボランティアをしてくださる方がいらっしゃいましたら、
 どうぞご連絡ください!



ウズベキスタンでブラインドサッカー!

先週末、ウズベキスタンで第2回目となるブラインドサッカー全国大会が開催されました。
ウズベキスタン国内ではブラインドサッカーは比較的盛んで、
各地にブランドサッカーチームがあるようですが
今回はタシケント、アンディジャン、ブハラ、ナヴォイから4チームが参加。
総当たり戦の結果、見事チャンピオンカップを手にしたのは、2冠目のタシケントチームでした。
大喜びのタシケントチーム
ブラインドサッカーの観戦は初めてだったのですが
激突に次ぐ激突!でかなり激しいスポーツということを実感。
また、シュートコースを拍手で案内する担当者の技量によっても、シュート成功率が変わってきたり、
ボールの動きが止まってしまうと、ボールの音がしないので、しばらく無言のひと時が流れたり、と
ブラインドサッカー自体の面白さにも魅了されました。
ボールの音が聞こえなくなるので大声での応援は禁止

今年のロンドンパラリンピックへの出場は叶わなかったものの
4年後のリオへは必ず代表を送ります!と、パラリンピック委員会の方が力強く語っていました。
リオでウズベク代表選手が活躍するところを、是非見てみたいです!