Friday 31 May 2013

肢体障害者の学校なのに・・・?

DETトレイナーが4人も卒業したという100番特別支援学校。
卒業生に連れられて、見学に行ってきました。
肢体障害者が中心の、全寮制学校です。

1クラス10人以下の少人数制

学び方も本人のニーズに合わせる

3食+おやつも2回出るそうです!

電動車いすに興味津々の生徒たち


ところが
車いすの生徒もいるにも関わらず・・・

ちょっと・・・急すぎて電動でも登れない!


2階建て校舎にはエレベーターがなく
校舎内は段差だらけ。

スロープの上にある出入り口は
施錠されていて出入りできない。

車いすの生徒がどうやって移動しているか観察してみたのですが
級友に車いすを押してもらい
「がっつん!」と無理やり段差を乗り越えて対処していました。


ここは、もしかして
DETの恰好の対象ではないでしょうか?


母校の状況に改めて気づいたDETトレイナーの心に火が付いたかな?

9月から小学生!

以前このブログで紹介したショディヤの地域活動で
小さいけれど、確かな成功がありました!

ショディヤの車いすを押すのが大好き!


ショディヤと同じマハラに住む、知的障害のある女の子。
幼稚園でも小学校でもいいので
同じくらいの年齢の子どもたちと遊ぶ機会を与えたい。
そう願う母親の話を聞き
ふと、以前日本から来てくれた奈良崎さんと一緒に活動した
特別支援学校のことを思い出しました。

ここなら、この子の家からも近いし
知的障害児の受入実績もある。

学校に電話してみると
「一度子どもを連れて来てください」
とのこと。

我々応援団も駆けつけました!


受付の人は

「知的障害が重いですね。
一人で歩けないのでは、トイレに行くのも手助けが必要だし
通学は難しいのでは。」

と、かなり否定的な態度だったので
一時はどうなることかと思いましたが
校長先生は

「これまでに知的障害児は何人も受け入れているし、大丈夫」

と太鼓判を押してくれました!

幼稚園へは受け入れてもらえなかった彼女も
9月からは立派な小学生!

やったね、ショディヤ!

移動式スロープの試作品完成!

日本の障害当事者の方が
「ウズベキスタンは段差が多いから」と
持って来てくださった、移動式スロープ。

これに着想を得た当地の障害者により
ウズベク版移動式スロープの試作品が完成しました!

長さ170cmくらい


表面は滑り止めにサンドペーパーを貼ってあります!


手作り感あふれる力作!

まだまだ改良点は多いですが
試作品ができた、というだけでもスバラシイ!
しかも、ニーズを持った障害者が
ニーズに答えるための解決策を、自らの手で作ったことも、もっとスバラシイ!

店や団地の入り口などに必ず階段があるタシケントで
このスロープが活躍する日も近い?!

スペシャルオリンピックスのプロジェクトでもDET!

インクルーシブ教育の試験的試み


ウズベキスタンのスペシャルオリンピックス(SO)とは
今年から始まったUNICEF・SOの協働による「インクルーシブ教育」プロジェクトでは
DETトレイナーが、リソースパーソンとして参加することになりました!

アブドゥッロさんはウズベキスタン唯一の全盲の大学教員

4月から5月にかけて
ウズベキスタン国内5か所で
オリエンテーション・セミナーが実施されました。
セミナーには、普通校の教員や障害児の家族が参加し
「障害とは?」「障害児を受け入れるためには、どうすれば良いか?」
といったテーマについて話し合いました。

アブドゥッロさんが担当するのは
「障害者に対する態度・偏見について」
というテーマです。

グループワークの発表

真剣に話し合う参加者

良いまとまりです


アブドゥッロさんは、DET-ToTで学んだファシリテーション技術を駆使し
グループワークなどを取り入れ
参加者に「障害について」考えてもらうきっかけを与えることができていたように思います。
また、全盲の視覚障害者であるアブドゥッロさんの存在そのものが
参加者の障害者に対する観方を変えることに成功していたようです。

8月から第二ラウンドのセミナーが始まるとのことで
その際には、本格的にDETを導入したい!
との意欲を見せてくれたアブドゥッロさん。
今後一層の活躍が期待されますね!

Wednesday 1 May 2013

希望の車いす、プスケント地区へ続々!

ウズベキスタンは観光シーズンに入り
希望の車いすも次々とウズベキスタンへ届けられています。

先週、タシケント州プスケント地区に2台の車いすを届けてきました。
お二人とも高齢で、家族が介助しているそうですが
車いすがあれば、家族の方の身体的負担は大きく軽減されることでしょう。


オリヤさん(81)

【希望の車いすへのレポートから】

「飛行機に乗ってどこかへ行く時みたい!」
初めて『希望の車いす』に座った時のオリヤさんの感想です。

間接リュウマチが悪化し
35年前から全く歩けなくなってしまったオリヤさん。
でも、車いすは一度も使ったことがありませんでした。
どうやって暮らしているのかと聞くと
6人の息子と2人の娘が
代わる代わるオリヤさんを各自の家に連れて行き
面倒を見てくれていると言います。
39人もいる孫のうち
大きくなった孫たちが身の回りの世話をしてくれるそうです。
トイレや移動など、全て抱きかかえての介助はさぞかし大変だったことでしょうが
それができたのもウズベキスタンの大家族制ならではと感じました。

車いすを見ただけで
オリヤさんは目に涙を浮かべていました。
「これで、私の介助をしてくれる息子たちや孫たちが、ずいぶんと楽になります。」と
心から喜んでくれました。

ウズベキスタンでは
高齢になってから病気や事故で障害を持った人たちの多くは
煩雑な申請手続きや制度の谷間が原因で
政府から車いすの支援を受けることができません。

今後、次第に人口の高齢化が進むことが予想される中
高齢の障害者も等しく制度の庇護を受けられるような制度の改善が望まれます。



フルさん(63)

【希望の車いすへのレポートから】

フルさんは、4年前に庭先で転倒して骨折して以来
歩けなくなってしまいました。
心臓疾患があるため手術もままならず
今でも腰に痛みを抱えたまま、寝たきりになっていました。
陽気の良い日には外に出たいと思うこともありましたが
窓から眺めるだけでした。

痛みを軽減するためのコルセットを付けて『希望の車いす』に座ったフルさんは
「ありがとうございます」とだけ言うと
感極まって涙が止まらなくなってしまいました。

「こんなに素敵な車いすをもらえて、本当に幸せです」と
くりかえし感謝の言葉を述べてくれました。

季節は既に春。
時折肌寒い日もありますが
もう少し陽が暖かくなってくれば
フルさんは『希望の車いす』で外へでて新鮮な空気を吸い
以前と同じように近所の人たちとおしゃべりをすることができるようになるでしょう。

その頃には、彼女の目には涙ではなく、幸せの灯が点っていることでしょう。

車いすで街歩き!

ぼちぼちと活動を始めているショディヤの様子をこのブログで見た日本の友人が
ショディヤが普段どうやってバスに乗り降りしているのか見てみたい!というので
ショディヤに案内をお願いして
ローカルフードの美味しい食堂に連れて行ってもらうことにしました。


歩道はいちいち段差があって登れないので車道を歩く!
(Photo by Maiko)


1台目のバスに乗車
「手伝ってくださ~い!」
(Photo by Maiko)


1台目のバスから降車
「降りるので、手伝ってくださ~い!」
(Photo by Maiko)


2台目のバスに乗車
「手伝ってくださ~い!場所空けてくださ~い!!」
(Photo by Maiko)

そして無事、食堂に到着。




今回実感したのは、
  • スロープ付きのノンステップバスが少ないこと
  • スロープ付きのはずのノンステップバスに、スロープが付いていないこと
    (使わないので取り外された?)
  • バスの乗客が、嫌な顔一つせずに乗降を手伝ってくれること
でした。

現在のタシケントでは、車いすでバスに乗る人は残念ながらほとんど居ませんが
その数が増えれば、バスのスロープがもっと活躍するようになり
車いす利用者にとって、バスがもっと使いやすくなることでしょう。

ショディヤの仲間がもっともっと増えると良いなと思います。