Saturday 23 February 2013

会心のDET!

これまで数々のDET報告をしてきましたが
2月16日のDETは、これまでで最高でした!

イントロのスライドも斬新なデザイン


それもそのはず、今回は若手の障害当事者ばかり、14人も集まってくれたのです。

人集めの功労者
タシケントいちのお調子モノと言われている?イルホム(写真右端)



参加者の誰もが、社会生活の中で、
機能障害を持つが上に、不利や差別を受けてきた経験がありました。
このため、活発に意見が出され
「障害」は社会が作っているものだ!という理解に到達するのは
ほんの一瞬の間でした!


中には比較的重度の肢体障害者もいました



そして、それぞれがどんな具体的な活動ができるか考え
それぞれの住む地域で、DETをやってみよう!ということになりました。


白熱した議論



参加者の中から
非常に良い分析力
プレゼンテーション能力を持った人材も発掘され
一石二鳥!


DETの手ごたえをここまではっきり感じられたのは初めてでしたので
DETトレイナーも大きな自信を付けたようです。

ウズベキスタンのDETは、この調子でどんどん続きます!

Wednesday 20 February 2013

ナヴォイでもDET!

DETはまだまだ続きます!

ウズベキスタン障害者協会本部の方の紹介で
タシケントから500km離れたナヴォイ市にある
同協会のナヴォイ州支部において
DETを実施させてもらうことになりました。

詩人アリシェール・ナヴォイにちなんで名づけられたナヴォイ州
(2月9日がナヴォイの誕生日だったようです)


ウズベキスタン障害者協会ナヴォイ州支部の
幹部の皆さんと


ナヴォイ州支部の建物
アクセシブルな投票所としても使えそうですね!



午前の部は、ナヴォイ支部の会員の障害当事者13名
午後の部は、ナヴォイ支部幹部の方々9名が参加してくれました。


午前の部:電動車いすを利用している重度の障害当事者も参加


午後の部は、ナヴォイ州内の協会支部の代表者が参加
幹部も全て障害当事者


並行して、ピアカウンセリングも実施


やはりアウェーのDETということで
トレイナーとしては決して満足できる結果ではありませんでしたが
参加者には好評で
ナヴォイ州内の各支部でもDETをやって欲しい、という嬉しい要望が聞かれました。


夕方には、当地の障害当事者と一緒にナヴォイ市内のアクセスチェック!




中心街のはずれは、意外にもアクセスがあり
当地の障害当事者は自力で組み立てた手こぎ三輪車で
自由に動き回ることができているそうです。

一方、中心地は歩道が整備されているが故に
段差や階段がいっぱいでした。

当地の障害当事者は道行く人々から沢山声を掛けられます。
聞くと、「みんな知り合い」だそうです。
そういう意味では、態度のバリアは比較的低いのかもしれません。



また、産まれてこの方一度も鉄道に乗ったことがない!というDETトレイナーと
タシケントからナヴォイまで、車いすでの鉄道乗車を経験!



ソ連時代からの鉄道は、乗車口にこんなに高い段差が!


鉄道の入り口には車掌が一人ずつ立っているため
車掌と駅員の助けを借りて
比較的スムーズに乗降することができました。

ただ、車輌の中の通路は幅70㎝程度しかありません。
今回それを承知で幅の狭い車いすで行ったので、何とか通れましたが
これ以上幅が大きいと、座席までの通路を5m以上車いすなしで移動しなければなりません。


アクセス改善への道は険しいですが
DETが少しでもそれに貢献することを願っています!

ウズベキスタン視覚障害者協会セミナー

本日、視覚障害者の教育の課題に関するセミナーがタシケントで開催されました。





主催は、ウズベキスタン視覚障害者協会。

2011年度、JICA課題別研修「中央アジア 障害者のメインストリーミング及びエンパワーメント促進」に同協会の若手リーダーが参加しました。

その後、ウズベキスタンの帰国研修員のためのファンドに申請し
今回のセミナーの開催にこぎつけました。

参加者は大半が視覚障害者(弱視の方が多い印象)。
40人近くが参加し、積極的に意見交換していました。

障害者の教育の課題は、視覚障害に限ったことではありませんので
横断的に、色々な障害の方が参加できれば
より有意義な情報交換ができたのではと思います。

国立リハセンターにADLルーム誕生!

プロジェクトのオフィスを置いていただいているのが、ウズベキスタン国立障害者リハビリテーションセンター(第二)。

そこに、昨年10月、社会リハビリテーション担当官が配置されました。

「社会リハビリテーション」という概念がほとんど定着していない中
どういったアプローチが効果的なのか
日本の経験の共有を求められることが多くなっています。

そうこうするうち、第二センターとは5kmほど離れたところにある第一センターに
ADL(日常生活動作)ルームが作られたというので、行ってみました。


’Social and Vocational Rehabilitation Department’
「社会・職業リハビリテーション部」 と書かれています


病院の地下に新設したスペースに2部屋を確保し
ADL評価のための部屋と
図書室兼会議室が設置されていました。


キッチンと寝室が備えられています
(ベッド側には急場しのぎで患者さんが寝ていたので、撮影できず・・・)


図書室にはコンピューターも

使い勝手のほどはユーザーに聞いてみたい
右側にも手すりがあった方が。。。


まだ具体的な活動は始まっていませんが
同センターに配属されたJOCVの方の意見も積極的に取り入れ
日本の経験に学ぼうとしている情熱がひしひしと伝わってきました。


もしかしたらこの会議室で
近い将来、DETやピアカウンセリングをさせていただけることになるかもしれず・・・!


営業活動に力を注いでいきたいと思います。笑

Tuesday 19 February 2013

アメリカンサイズの車いすありませんか?





タシケントのセルゲリ地区に住む、テシャボイさん(78)に
希望の車いすを寄贈しました。


テシャボイさんはパーキンソン病を患っており、寝たきりの生活をしています。
同じ家に住む長女が介護していますが
身長180センチを超えると思われるテシャボイさんを抱き起したりするのは
男性2人がかりの大仕事です。


それでも、暖かくなったら少しでも外に出て気分転換してもらいたい
ということで、希望の車いすが届けられました。


1回目に持ち込んだ車いすは普通より小さいサイズだったため座ることさえできず
今回持ち込んだ2台目の車いすも、座ることはできましたが、丁度良いサイズとは言えません。


希望の車いすに尋ねたところ
日本人の体形に合わせた日本の車いすは、大人用はこのサイズが最大で
これより大きいものは「アメリカンサイズ」になるとのこと。
また、希望の車いすには、アメリカンサイズが入って来る可能性は低いとのことでした。


もしこのブログを読まれた方の中で、
アメリカンサイズの車いすを寄贈してくれる方がいらっしゃいましたら
どうぞ、ご一報ください。



【以下、希望の車いすへの寄贈レポートより】

初めてテシャボイさんを訪ねたのは、201212月のこと。
その時持って行った車いすは、長身なテシャボイさんには小さすぎたため、
20132月、今度は大きな車いすを持って行き、
ようやく希望の車いすを手渡すことができました。

テシャボイさんは銀行員として40年を勤め上げ、年金生活を送っていました。
7年前に最愛の妻がなくなり、その後、手先が何かおかしいと訴え始めました。
娘たちがあちこちの病院へと連れて行きましたが、
パーキンソン病と診断されるまでに5年もの歳月を要したといいます。
日が経つごとに歩けなくなり、認知症も進行していきました。
現在、テシャボイさんは長女一家とともに暮らしており
4人の姉妹も入れ代わり立ち代わり、彼の世話をしに来ています。

希望の車いすを手に入れるまでは、テシャボイさんはいつも薄暗い部屋の片隅で寝て過ごしていました。
近頃タシケントでは日に日に暖かさが増し、杏のつぼみもふくらんでいます。
このつぼみがほころぶ頃には、陽だまりの午後、娘と一緒に車いすで散歩に出かけているテシャボイさんを見ることができることでしょう。

Tuesday 5 February 2013

石の上にも3年!スロープ作りは18か月!

現在実施中のプロジェクトに先行して2008~2010年に実施された
JICA草の根プロジェクト「タシケント市におけるCBR事業」。
その活動地域の一つが、ボボデフコンという地域コミュニティ(マハラ)でした。

マハラの集会所の建物には
CBRポイントと呼ばれる地域の障害児が集まれる「場」が設置され
定期的にレクリエーション活動が実施されていました。

先行プロジェクト終了後も
ボボデフコン・マハラとその付近に住む障害当事者の集会場所として
また現在のプロジェクトの研修会場として
マハラの建物は使われてきました。

マハラの建物の入り口には、50㎝ほどの段差があり
車いす利用の障害当事者は、その都度、出入りに苦労していました。
アクセシブルなマハラの象徴として
入り口にスロープを作ろう!という働きかけを始めたのは2011年7月。
プロジェクト開始直後のこと。

そして!
先月、ボボデフコン・マハラの入り口に
ようやくスロープが完成しました!
マハラの長老の許可と
地域住民からの出資を得て
マハラに住む障害当事者の家族が労力を提供して作られたそうです。

鉄板を階段に合せて加工した可動式スロープ

備え付けのスロープは滑りにくい素材を使用


実現までに18か月もの月日を要しましたが
地域コミュニティに住む障害当事者のイニシアチブにより
マハラのアクセスが少しでも改善したことは
素晴らしいことですよね!

こうして一つ一つ、障害のない地域コミュニティへの歩みを進めていって欲しいと思います。
たとえ、亀のようなゆっくりとした歩みでも・・・!

Monday 4 February 2013

啓蟄DET!

ここのところ、DETネタばかりで恐縮なのですが
気候が暖かくなったのと時を同じくして
DETトレイナーも活発になってきたので
(啓蟄みたいですよね!?)
引き続きDET報告です。

今日は、地域コミュニティー組織である「マハラ」で初めて、DETを実施しました。
約束通り来てくれるかどうか心配だったのですが、予定通りマハラのスタッフ10名が参加。
中にはマハラの「長老」も。

マハラの会議室を借りてDETを実施

DETトレイナーは例によってガチガチに緊張・・・

小さな助っ人!(DETトレイナーの甥っ子)


参加者たちはとても積極的で
2時間のDETの間ずっと、活発な議論がなされました。

それもそのはず!
昨年4月に実施された「ピアカウンセリング研修」にも参加したことのある障害当事者が
ボランティアとしてこのマハラで働いていたのです。

マハラのボランティアをしている障害当事者(左端)

彼女が、障害者の直面する問題について、マハラのスタッフと日々話をしていたため
スタッフの障害の社会モデルについての理解はとても早く
真っ先に、マハラの建物の入り口にある階段をスロープにしなくては!
という気づきが産まれていました。


アクションプラン作りでは、
3月にマハラで行われる文化イベントでDETをやってみよう!
マハラの中にあるテニスコートやプールをアクセシブルにしよう!
など、画期的なアイデアが出されました。


アクションプラン作りをファシリテート



DETの実施を通して、こうした小さなアクションがあちこちで広がっていくことを願い
これからも地域におけるDETの実施を支援していきます。

ところで、今日タシケントは久しぶりの降雪。
啓蟄DETがどこまで続くのか、ちょっと心配なんですが。。。