Saturday 27 April 2013

ウズベキスタンの千手観音?

4月上旬にお邪魔した、101番特別寄宿学校(ろう者のための学校)で
「ナヴルーズ」をテーマにした生徒の発表会があるというので、行ってみました。


広い中庭には、プールやミニフットボールコートも

101番学校は、タシケントの北東、新緑も色鮮やかなTTZ地区の一角にあります。
寄宿学校と言っても
土曜日の午後に家族が学校に迎えに来て
月曜日の朝また家から学校へ連れてくるとのこと。
ろう者のための学校は各州にあるので
101番学校へ来ているのは、タシケント州内に家がある子供たちがほとんどです。
日本で言う小学一年生から中学3年生まで、200人強がこの学校で学んでいます。


「学習成果」を形で見せることにこだわった教育方針があり
この発表会も成果発表の位置付けのようです。


授業風景:ピアノの振動を感じ、リズムに合わせてロシア語指文字の練習


新年や独立記念日、今回のナヴルーズなど
国の祝祭日にちなんで、このような発表会が行われているとのこと。
すなわち、1年間に6回以上もあるにも関わらず
先生・生徒とも、かなり気合が入っていました。


司会のウズベク語・ロシア語を
手話通訳(左端)がウズベク手話・ロシア手話に通訳

ダンスの先生が、動作でタイミングを指示

衣装は、縫製の授業時間を使って全部作り!

歌の歌詞を手話で表現

生徒たちの表情に惹きつけられる

ダンスの完成度も高いです!

国民的歌手のLolaも観覧


 ウズベクの人たちは、結婚式だろうが、単なる食事会だろうが
音楽がかかるとすぐに踊り出すほどダンス好き。
小さい時からそうやって踊っている子どもたちだからなのか、とにかく踊りが上手。
自信に満ち溢れた笑顔で堂々と踊る生徒たちに
爽やかな感動を覚えました。

中央アジア発の千手観音なるか?乞うご期待。

Tuesday 16 April 2013

ぼちぼちと・・・

沖縄研修から戻ってきたショディヤが
自分が住んでいるコミュニティで活動を始めている、というので
様子を見に行ってみました。

電動車いすで、でこぼこ道をゆく


日本へ行くまでは、父親の車で外出することが多かったショディヤ。
ところが、沖縄でバスに乗って自由に動き回ることを覚え
タシケントでもバスに乗ってみたところ
「日本のバスに乗るよりもずっと楽~!」
頼めば周りの人が手伝って乗り降りさせてくれるし
障害等級1級なので、バス代もタダ!
というわけで、観光名所や映画館へ行ったり、と、かなり多動になっています。


普段は使われていないバス備え付けのスロープ。
資源の有効活用にも貢献!


そんなショディヤが住んでいるマハラ(コミュニティの単位)は
それほど大きいわけでもないのですが
バス停までの道のりを毎日通っているだけで
すでに5人もの障害者を見つけたそうです。


車いすを押すのが気に入ってしまった女の子


いつもは立ち話だけで通り過ぎているのですが
今日は中庭に入れてもらって色々話を聞いていました。


ほんの少し話を聞いただけでも
地域に住む障害者が直面する問題がわかってきます。

  必要な情報や支援に手が届かないこと

  学校に入りたくても断られてしまうこと

  障害者自身が自分の意見を言えないこと

  親が過保護すぎて、障害者を外の世界に触れさせようとしないこと


どうすれば解決できるのか
自分一人では、すぐにはわからなくても
仲間や地域に住む人々に相談するうちに
道筋が見えてくることでしょう。


亀さんの歩みは遅いのですが
一歩一歩着実に、前に進んで行っています。

Sunday 7 April 2013

「希望の車いす」の舞台裏に潜入!?

運搬ボランティアの皆さんのご協力を得て
これまで延べ13台の車いすが、日本からウズベキスタンに届けられていますが
この車いすを送り出してくださっているのが、日本のNGO「希望の車いす」

3月、東京都は江古田にある「希望の車いす」の事務所にお邪魔してきました!

ワンフロアぶち抜きで倉庫兼作業場兼事務所になっています


ちょうどその日は、車いすの「クリーニング・デイ」。
毎週火曜日に、ボランティアの皆さんだけでなく、学生さん、団体の理事のメンバーも一緒になって
汗をかきかき、車いすの修繕・清掃に取り組まれています。

元自転車屋さんだったというボランティアさん。
修理はお手の物です。

部品は一つ一つ分解して、丁寧に磨き上げられていきます。


「希望の車いす」からいただく車いすは
自転車の箱で、ていねいに梱包されており
開けてみると、まるで新品のようにキレイなのです。
ボランティアの皆さんの手によって
こうして一つ一つ、心を込めて修理し、磨き上げられているからこそ
ということが実感できるひと時でした。


これからも、ウズベキスタンで車いすを必要としている方々に
一つでも多くの「希望の車いす」が届けられたらと思います。

エコパークと芸術?!

タシケントに「エコパーク」なるものがあるのですが
ここで、3月29日(金)と30日(土)に
美術大学の学生が中心となって立ち上げられたボランティアグループ
「Istiqlol Nurlari(イスティクロル・ヌルラル)」という団体主催の
インクルーシブな芸術活動のイベントがおこなわれました。




障害当事者自助グループ「イスティクボル」も企画に関わったというので
ちょっとだけ見に行ってみました。

※イスティクロルとイスティクボルは、一見似てるけどちょっと違います。
   (独立)     (繁栄)

あっ!例の男の子も来てる!!


一般客に加えて、金曜日には障害児、土曜日には障害のある大人も招待され
学生に似顔絵を描いてもらったり
自分たちで、バティックに色付けをしたりと
芸術に触れあっていました。

公園内に学生の作品も展示

障害者も手工芸品を展示

※右から二人目の人は顔を隠しているのではありません。
タシケントにも、結構花粉が飛んでいるのです!


「イスティクボル」の野望は
「イスティクロル・ヌルラル」のメンバー全員にDETを行うことだそうです!
でも、「亀さんグループ」の異名をもつ「イスティクボル」のことですから
一体いつになることやら。。。

Friday 5 April 2013

そして、沖縄へ・・・

2008年からウズベキスタンの障害当事者を支援してくださっている
沖縄自立生活センター・イルカ
2月から3月にかけて
ウズベキスタンの障害当事者2名を
沖縄での研修に招待してくださいました!





これまで、ウズベキスタンで

  • 障害当事者リーダーシップ研修
  • ピアカウンセリング研修
  • 自立生活研修
  • 自立生活体験合宿

など、実施できる研修はほぼし尽くしてしまったため
今度は沖縄で、実際に自立生活センターを見て
自分たち自身も、自立生活体験室を使って自立生活してみるなかで
日本の障害当事者が、介助者など支援を受けながら
地域でどうやって生活しているのかを実際に体験してもらい
ウズベキスタンでもできることから始めて行ってほしい、という願いが込められました。


初めての海!


研修実施のための資金は、全て寄付によるもの。
イルカをはじめとする沖縄県内の自立生活センターの障害当事者職員や介助スタッフの皆さん
沖縄県内の関係団体・機関の方々
そして全国自立生活センター協議会(JIL)をはじめとする全国ネットワークに呼びかけてくださり
多くの方々からご協力をいただいて、実現したものです。
この場を借りて、心からの感謝を申し上げます。


1か月間の研修は、以下の通り、盛りだくさん!の内容でした。

  • 宮古島で3日間の「ピアカウンセリング研修」への参加


これだけの数の障害当事者と介助者が集合!


沖縄県内外の自立生活センターから集まった
リーダーや参加者とともに


  • 北部自立生活センター「希輝々(きらら)」での研修
小道具を使った自己紹介でインパクトを狙う!


  • 障害者就労支援団体、児童発達支援、身体障害者療護施設、特別養護老人ホーム、特別支援学校等の訪問
利用者と一緒に絵手紙に挑戦!


児童施設訪問の一コマ


  • 地域で自立生活している障害当事者の自宅訪問



  • 沖縄県庁職員の方々とともに、車いすによるアクセスチェックを実施
新聞・テレビでも報道されました



  • イルカの自立生活体験室で、1か月間自立生活を実践
電動車いすでモップがけ!

左手前がネパールから来たアンジャナさん



言葉はどうしてたの?という質問を良く受けましたが
タシケントの東洋学大学から1年間日本へ留学しているヒローラさんが
貴重な春休みを使って
ボランティアとして、通訳のために沖縄に駆けつけてくれたのでした。
ヒローラさんにも心から感謝です!!

研修を通じて
ウズベキスタンから来た二人は
「自立生活って、何でも自分でやらなければいけないのかと思っていたけど
必要な助けは借りてすれば良いのだから、そんなに難しいことじゃない。
これなら、自分たちにもできる」
という確かな手ごたえを感じたようです。

帰国前のプレゼンテーションやレポートでも
「ウズベキスタンに帰ったら、アパートを借りて、二人で自立生活をはじめたいです!」
という宣言をしたそうです。

その大きな第一歩が踏み出せる力を信じて
プロジェクトは彼女たちの頑張りを、これからも見守っていきたいと思います。



花はいつ咲くのかな?