Tuesday 29 January 2013

みんなで成長!DETは続きます。

一昨日に引き続いて、昨日もDETが実施されました。

今回は、DETトレイナーの家のすぐ目の前にある小・中学校。
8年生(日本の中学2年生に当たる)16名が対象です。

なぜか女子ばかり。男子は?と聞くと「皆帰っちゃった」


教室でのDETなので、どうしても授業みたいになってしまいます。



トレイナーは、例によってガチガチに緊張してしまい
各スライドで何を言うべきかも忘れてしまうほど。

そこを、先週DETを実施して、少し自信を付けたDETトレーナーたちがバックアップします。






中学生ということもあり、皆とっても素直。
「障害とは何か?」ついても、期待通りの理解に導くことができ
アクションプランでは、自分たちの学校をどうやってインクルーシブにするか
という具体的な方策も考えることができました。

この学校には肢体障害の生徒が数名いるようです。



生徒たちはファシリテーターの考え方に誘導されやすい、という傾向もよく分かりました。


DETトレイナー同士で実施する反省会では
他のトレイナーから、自らが失敗を基に学んだことを活かしたアドバイスがなされたり、と
トレイナー同士で助け合い、高め合っていく機運が高まってきています。


この勢いを緩めることなく
ウズベキスタンでもDETをどんどん!実施していきたいと思っています。

Monday 28 January 2013

DET続々!

昨日、ウズベクDETトレイナーによる、3回目のDETが実施されました。


トレイナーは、「本番前に、夢の中で2回もDETやった!」というほどの緊張ぶり。。。


でも、始まってみれば、この笑顔!




日曜日にも関わらず、トレイナーの親戚や知人が9名集まってくれました。




このDETトレーナーは、普段はウォーカーを使っているのですが
この日はファシリテーションがスムーズにできるように
プロジェクトの電動車いすを使うことにしました。

「やっぱり便利~!」



彼女は聞き上手なので
参加者は遠慮なく自分たちの意見を言うことができた様子。

グループ・ワークをファシリテート

唯一の障害当事者(中央)も積極的に発言

コ・ファシリテーターが別のグループをファシリテート



DETの終りには
参加者が、自分たちがが働いているレコーディングスタジオを
どうやってインクルーシブにするか、という
具体的なアクションプランを作成することもできました。

というわけで、今回のDETは大成功!


ウズベキスタンのDETはどんどん続きます!!

Friday 25 January 2013

ウズベキスタン障害者専門学校でDET!

以前このブログで紹介した、ウズベキスタン障害者専門学校
主に身体(肢体・視覚・聴覚)に機能障害のある若者を対象にした、職業訓練学校です。

11月に実施された障害平等研修・指導者養成研修を修了したDETトレイナーの一人が
この専門学校で、DETを実施したい!と言い出しました。

どこまで自分たちだけで進められるかを知るため
プロジェクトは一切手出しをせず、見守ることにしました。

DETトレイナーは、街のはずれの専門学校に1度、2度と自ら足を運び
学校側を説得することに成功!
晴れてDETを実施することが決まりました。

DETトレイナーの二人


あまり大人数になっては、ファシリテーションができないので
今回は15人だけを対象に実施させてもらうことになりました。

視覚障害、肢体障害など、参加者全員が障害当事者


当DETトレイナーにとっては、はじめてのDET。
はじめはガチガチに緊張してしまって
いつもの笑顔が見られなかったのですが
学生たちとの対話を通じてDETを進めるうちに
次第に自信を取り戻し
自然に話せるようになってきました。

「私は先生じゃないのよー!もっと気楽に話してー!」
とおどけてみせるDETトレイナー


学生たちは普段、「先生から教えられたことを覚える」という学び方に慣れているため
問題を提起するの写真やビデオを題材に
ファシリテーターの質問に答えることを通して、自分たちで答えを見つけて行く
という「ファシリテーション」の手法自体に戸惑っている様子。
何度も何度も、「先生自身の考えを聞かせてください!」と、「正解」を求める生徒もいました。

とはいえ、とても積極的に参加してくれた学生たち。
DETトレイナーにとって、大変ファシリテートしやすい参加者だったようです。
学生の中には、将来DETトレイナーになって欲しい!と思うような
リーダー素質のある方も沢山いました。


グループ・ワークをファシリテーションするDETトレイナー


2時間半のDETを終えて、学生たちに何かが残せたのでしょうか。
それは、また今後のフォローアップを通じて、見届けて行きたいと思います。

Saturday 5 January 2013

日本語、がんばってます!

ウズベキスタン日本人材開発センター(通称UJC)の日本語初級コースに
全盲の視覚障害者が合格したことは
以前このブログでご紹介しました。

その後、9月から12月までの第1学期を無事終了することができ
UJCからは奨学生の待遇を受けられることになりました。
これも、本人とアシスタントの努力があってこそ!
第2学期もますます頑張って欲しいと思います。

12月には、彼が応募したいと思っている奨学金制度を実施している日本のNPOの方が
別件でウズベキスタンを訪問されました。
奨学生に対する帰国後のサポート体制があるかどうかが
奨学生を選考する上で重要な要素となるとのことで
ウズベキスタン視覚障害者協会の組織体制にも満足されて帰国されました。

日本での奨学金制度は応募倍率が非常に高く
1回で合格することは非常に稀だと言います。
何年か掛かっても
彼なら、いつかは合格を勝ち取ってくれると信じています。

はじめての、DET

11月に実施された、障害平等研修・指導者養成研修(DET-ToT)修了後
第1回目となる障害平等研修(DET)が、12月に実施されました。

参加してくださったのは、JOCVの皆さんとJICA職員の方、合計5名。

参加ありがとうございました!


2時間半に渡るDETセッションは
決して上出来ではありませんでしたが
まずは第一歩を踏み出したことが大事!

スライドも自分たちで作り変えました

ファシリテーション技術が活かされてます

DETトレイナー自身が作成した計画では
1月、2月、3月と、DETが目白押しです!
成果は、このブログで追々報告していきたいと思います。

(助っ人JOCVのブログにも他の写真がありますよー)

障害当事者組織審議会設立!

2011年6月にプロジェクトが始まって以来の悲願だった
ウズベキスタン国内の障害当事者組織ネットワークが
ようやく正式に設立されました!

その名も、「障害当事者組織審議会Consultation Council on Disabled People's Organisation)
NANNO Uzという、ウズベキスタン国内の承認NGOのネットワーク組織があり
その傘下の正式な審議会として、理事会で承認されました。

審議会に加盟しているのは
現在のところタシケントの主な障害当事者組織(DPO)ばかりですが
2013年には地方巡業セミナーも行い
地方のDPOも取り込んでいくとのこと。

ここまで来るには山あり谷ありの苦難がありましたが
DPOリーダーたちの強い信念で
こうして一つのプラットフォームができたことは
今後ウズベキスタンの障害当事者運動を盛り上げていく上で
大きな一歩となることでしょう。

希望の車いす、続々!

観光シーズンが終わり、本格的な冬が始まったウズベキスタン。
希望の車いすの運搬ボランティアが途絶えてしまうのでは、と懸念していたのですが
ウズベキスタンでプロジェクトを実施している団体の方のご協力を得て
11月、12月にも、新たに2台の車いすを寄贈することができました。

タシケント市ミラバット地区に住む51歳の男性

彼は、11年前に病気で片足を切断し、5年前に事故でもう片方の足も切断。
一時は死をも考えたといいますが
そんな影は一切見せない、快活な方でした。
今後プロジェクトでも色々な機会に連れ出していきたいと思います。
(「希望の車いす」宛ての寄贈レポートが、希望の車いすのウェブサイトにアップされています。)

タシケント州ザンギアタ地区に住む22歳の男性

彼は、6か月前、自動車の後部座席に座っているところを追突され
脊髄損傷を負いました。
妻と、1歳になる息子とともに、新しい人生をスタートさせるために
車いすが活躍してくれることを願っています。
(希望の車いすへの寄贈レポートはこちら。)

Friday 4 January 2013

真打ち登場!障害平等研修・指導者養成研修

2011年10月の導入研修実施以降
小さくちいさく展開してきた「障害平等研修 DET」。
このブログでも何度か紹介してきましたが(7月8月10月
とうとう、その指導者となる障害当事者を本格的に養成するための
「障害平等研修・指導者養成研修 DET - ToT」を11月に実施することができ
ウズベキスタンにも14名のDETトレイナーが誕生しました!!

修了証授与後、満面の笑み!(Photo by Kazuki)

10日間の研修には
  • DETとは何か?
  • 障害の社会モデルとは?
  • DETの手法:ファシリテーションとは?
  • アクションプランは何故必要か?
  • 効果的なプレゼンテーション
  • スライドの作りかた
  • ビデオ分析
などなど、盛りだくさんな内容が組み込まれました。

講義と実習を絶妙のバランスで組合せた
完成度の高い研修構成は
長年各国で実施してきた歴史を感じさせる
(Photo by Kazuki)
ファシリテーターの
久野研二JICA国際協力専門員
いつでも全力投球!
(Photo by Kazuki)













プレゼンテーションの実習
(Photo by Kazuki)

グループワークが研修の核
(Photo by Kazuki)











途中、ファシリテーター・参加者・主催者側ともいっぱいいっぱいになりながら
ウズベク人の学生ボランティアやJOCVの皆さんの力を借りて
何とか10日間を乗り切ることができました!
この場を借りて、心から感謝の意を表したいと思います。

ウズベク人の学生ボランティアの皆さん
(Photo by Kazuki)
ウズベク人に大人気のJOCV
(Photo by ??)


ただ、DET-ToT研修を受けたからといって
いきなり完璧なDETが実施できるようになるわけではありません。

富士登山に例えれば
とりあえず登山装備に何が必要かを知って
5合目までバスで連れてきてもらった
というところでしょうか。

今後、一回一回DETを実施する中で
経験値を積み、試行錯誤しながら
自分たちなりのDETを作りあげて行ってほしいと思います。

そして、その歩みをプロジェクトでも応援していきたいと思っています。

(研修助っ人JOCVのブログにも沢山写真がアップされてます!)

インチョン大集合!

早いもので、もう2か月も前のことになりますが
10月末、韓国インチョンで障害分野の国際会議が、3つ連続で開催されました。

  1. DPIアジア太平洋会議(DPI-AP)総会:世界最大級の障害当事者連合組織のアジア太平洋ブロック会議。41か国から500名近くが参加した模様。域内屈指の障害当事者リーダーが出席。
  2. 2012アジア太平洋障害フォーラム(APDF)会議:域内障害当事者組織と障害関連組織・機関が加盟する連合体。25か国478名が参加(主催者データ)。
  3. UNESCAPハイレベル政府間会合「アジア太平洋障害者の10年(2003-2012)実施の最終評価」:アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)加盟38か国・地域の代表約350人が出席した。ウズベキスタンからも、労働社会保障省の局長が政府代表として出席。

アジア太平洋障害者の10年節目の年とあって
この業界(?)の方なら垂涎の的の豪華キャストが目白押しです!


米国国務省 障害分野特別顧問、ジュディー・ヒューマン

(遠かったので映像で失礼します)

国連障害特別報告者、シュアイブ・チャルクレン


国連障害者権利委員会の議長、ロン・マッカルム!

(スピーチの様は牧師さんみたい)

日本の障害当事者自立生活運動の父、中西正司さん!


WHOのCBRと言えば、チャパル・カシナビス!


そして、まさかの
国連事務総長、潘 基文!

(残念ながらビデオ出演)

ウズベキスタンを応援したい、という方々にも沢山出会いました。
地勢上、また言語上のバリアのため
アジア太平洋地域の辺境とも言われる中央アジア・ウズベキスタン。
今回の出会いを糧に
こつこつとネットワークを築いていきたいと思います。

続報!車いすで元気に通学中

9月に「希望の車いす」をもらった女の子の続報です。

(Photo by Kazuki)
彼女の名前は、アフマラル。9歳です。
自宅で訪問教育を受けて、2年生になったところです。


タシケント州ザンギアタ地区の労働社会保障局の推薦を受け
「希望の車いす」が届けられたのは9月の末のこと。
「車いすで学校へ行きたい」と言う彼女が力強い目をしていたので
10月中旬、もう一度アフマラルを訪ねてみました。


車いすは使い込まれている様子でしたが
学校にはまだ通っていない、とのこと。
理由を聞いても、答えてくれません。

(Photo by Kazuki)

そこで、一緒に学校へ行ってみることにしました。

2年生のクラスメートたちは
皆アフマラルのことを知っていました。
アフマラルが学校のお祭りに行った時
一緒に遊んだことがあったのです。
「一緒に学校で勉強しようよ!」
皆が口々に話しかけます。

(Photo by Kazuki)

これで不安は吹き飛びました!
翌日から、アフマラルは学校に通い始めました。


その後も、兄姉に車いすを押してもらって、毎日学校に通っているそうです。
もう誰もアフマラルを止められません!

(写真を撮ってくれたJOCVのブログはこちら)