4月に日本の障害当事者講師から「自立生活」と「ピアカウンセリング」の研修を受けた
ウズベキスタンの障害当事者と一緒に
自立生活を実践してみるための合宿を企画しました。
日本からは、沖縄自立生活センター・イルカの3名が合流。
貴重な夏休みを費やし
渡航費用はイルカの職員や他団体から寄付を集めて工面してくださっての参加です。
イルカの皆さん、本当にありがとうございました!(Photo by Kazuki) |
ウズベキスタンでは、障害当事者に限らず、大家族で暮らすことが多いため
障害当事者は特に、知らず知らずのうちに家族の誰かに面倒をみてもらいながら暮らしています。
もちろん、家の造りがバリアフリーでないため
車いすやウォーカーなどで自由に動き回れないことも原因の一つですが
料理をしたことがない
自分の服を洗濯をしたことがない
市場で買い物をしたことがない
自分の服を自分で選んで買ったことがない
といったことが日常的なのです。
何も言わなくても手助けしてくれる家族から離れて
赤の他人である介助者ボランティアの助けを借りながら
自分で選んで
自分で決めて
結果には自分が責任を取る
という自立生活の概念を実践してみること。
これを合宿の目的にしました。
合宿中は3食自炊。
準備は、3泊4日分のメニュー決めから始まりました。
食材は、担当者が事前に買い出しに行き
食費も全額、自己負担です。
合宿中の研修プログラムも全て自分たちで考えました。
料理にチャレンジ!(Photo by Kazuki) |
ところが、実際に始めてみると、本当に難しい!
料理担当の障害当事者は
「あれ取ってきて」「これやっといて」と、介助者をあごでこき使ってしまいます。
介助者も、「これは障害者にはできないから」と勝手に判断して、自ら動いてしまいます。
始めは「人の役に立てることが嬉しい」という善意で動いていた介助者ボランティアも
「どうして、やればできることさえやらないの?」という気持ちがどんどん膨らみ
2日目には堪忍袋の緒が切れて、料理介助をボイコット!!
すると、今度は障害当事者が「私たちだって精一杯頑張っているのに!」と
介助者ボランティアを非難しはじめ
一触即発の状態に・・・。
頑張るボランティア (Photo by Kazuki) |
結局、見るに見かねた日本の障害当事者の方が
「介助者は障害者の奴隷じゃない!」と一喝。
翌日には全員参加のワークショップを開いて
お互いが感じたことを素直に話し合う場を設けました。
それがきっかけとなって、他人であるお互いを思いやる気持ちが芽生え
少しずつ軋んだ関係が和んで
お互い気持ちよく介助の依頼と提供ができるようになってきました。
思いのたけを語るボランティア (Photo by Kazuki) |
そこでタイムアップ!
あっという間の4日間が終わりました。
(Photo by Kazuki) |
ウズベキスタンの「のんびり」ペースが抜けきらず
遥々日本から来てくださったイルカの方々を
リソースとして活かしきれなかったという課題もありました。
(詳しくは介助者ボランティアとして参加したJOCVがブログに書いてくれています。)
それも含めて、全て彼らの選択・決定の結果としての「責任」なのです。
それぞれの家に戻って行った参加者達は
家族とこれまでとは少し違った関わり方ができるようになっていくのでしょうか。。。
これからも、傍で見守っていきたいと思っています。
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